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Kumamoto Prefectural Theater40th Anniversary

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Kumamoto Prefectural Theater40th Anniversary

日常に、劇場を。

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日常に、劇場を。

スマホをひらけば、
いつでも、どこでも、
カンタンに音楽や芸術が
楽しめる時代です。
それでもやっぱり、
劇場に足を運ぶワクワク感や、
舞台の幕が上がる前のドキドキ感を
私たちは大切にしたい。
明日に向かう原動力と、
人生が変わるほどの出会いを
多くのみなさまへ。
熊本県立劇場は、今年で開館40年。
毎日、感動という名の特等席を
準備して
お待ちしております。
さぁ、ケンゲキでカンゲキしよう。

Greeting

館長メッセージ

熊本県立劇場館長姜尚中

劇場が日常に地続きでつながり、
一人ひとりのドラマにつながる。

1982年の開館から40年。コンサートホール、演劇ホール、それぞれのホールの中では多くの感動が、ドラマが生まれてきました。この40年の歴史を振り返ることは、記録とともに、次代につなげていくステップでもあります。2016年の熊本地震から、2020年の人吉球磨地域の豪雨災害、そして全世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症など、さまざまな厳しい状況の中、劇場の存在価値、存在意義は何なのか。決してノスタルジーに浸るだけでなく、その先にどうつなげていくのかを、問うことでもあります。

私たちが40周年で掲げた「日常に、劇場を。」という言葉には、文化や芸術を提供する劇場が、みなさんの日常に地続きにつながってほしい、という願いを込めています。文化・芸術によって、世の中をすぐに変えることはできないかもしれません。しかし、人は舞台上のパフォーマンスに心をふるわせ、時に涙を流すこともあります。文化・芸術は定量化ができないものの、人の心に訴え、内側からじわじわと変化させ、それが外側の世界を変えていく可能性を秘めています。余剰としてではなく、私たちの日常の中に組み込まれることで、さらに価値を生みだします。そのために、これからの劇場は、文化・芸術にふれられる機会を増やす工夫と努力を重ねていかねばなりません。時には、この場から飛び出して、“動く劇場”として熊本県内の地域に赴いていくことも増えてくるでしょう。劇場が県民の共有財産であることを胸に、県民の広場として、次の50年、60年に向けて、県民とともに歩み、進化し続けていきたいと思います。

Message

祝賀メッセージ

ⒸTakashi Iijima

指揮者

佐渡 裕

このたびは熊本県立劇場40周年を迎えられ、心よりお祝い申し上げます。
県立劇場の大舞台は素晴らしい音響を持ち、この指揮台に立つことは常に大きな喜びを私に与えてくれます。

熊本とはこの10年ほどの間に特に色々なご縁が生まれました。テレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯!」で笑福亭鶴瓶さんと共に震災前に熊本を訪れていたため、2016年に熊本で地震が起こった際、阪神淡路大震災を経験していた私は居ても立っても居られない想いがありました。
被災した方々を励ますことが出来たらと、兵庫で活動している<スーパーキッズ・オーケストラ>と益城町や南阿蘇の被災地や県庁ロビーで演奏をしたり、私が音楽監督を務めるオーストリアの<トーンキュンストラー管弦楽団>の日本ツアーでは、彼らと一緒に公演後のロビーで募金箱を持って支援金を集めたりしました。募金活動で集まった1000万円近いお金は被害のあった熊本県内の学校の楽器修理のために大変有意義に使われました。
これらのすべての活動を県立劇場の優秀なスタッフの皆さんがコーディネートしてくださり、一緒になって熊本県内の色々な場所に出かけて、支援活動を支えてもらいました。ホールの外にも音楽を届けて行きたいという彼らの強い意志と情熱、柔軟で謙虚な姿勢にいつも助けられました。募金の分配や使用について、公平で大変細かな配慮を持って最後まで作業してくださった県立劇場のスタッフの伊津野さんがその後、若くしてご病気で亡くなられたことは、私にとっても大変悲しいことでした。

楽しい思い出もたくさんあります。2018年の5月、トーンキュンストラー管の来日公演を県立劇場で行った日がちょうど私の誕生日でした。劇場と楽団が素晴らしいサプライズを用意してくださり、アンコールの時に、指揮台に熊本の銘酒「瑞鷹」の酒樽が運び込まれ、お祝いの法被を着せてもらって姜尚中館長と一緒に鏡割りをしたのです!満席のお客様に盛大に祝っていただき、とてもうれしく忘れられない光景です。

これからも熊本県立劇場が作ってくれた、沢山の思い出や縁を大切に、またあの素晴らしい音響に包まれて指揮台に再び立つ日を心待ちにしています!

指揮者

山田 和樹

「あ、県劇だ!」
写真や映像に少しでも県劇が映っていたら、すぐに熊本県立劇場だと分かるのは皆さんも同じでしょう。僕のようにたくさんのホールで仕事をする身でも、オリジナリティ溢れる熊本県立劇場は瞬間的に判別することができます。正面玄関、ロータリー、楽屋口、ホール、練習室、廊下、レストラン、、どこを切り取ってもそこには強いオリジナリティがあるのです。
そして、「あ、県劇だ!」と思うとき、(熊本の)というカッコ書きが入らない不思議があります。僕の中では「県劇=熊本県立劇場」になっているのですね。ここ数年ご無沙汰してしまっていますが、ときどき無性に県劇の舞台に戻りたくなることがあります。
県劇のオリジナリティが人を惹きつける魅力を生み、人が集うことでエネルギーが生まれ、日常と非日常とが同居する空間が育まれていき、数々の公演は”思い出”という名のプレゼントとなって、私たちに届けられていきます。 文化は一日にして成らず。県劇が熊本の文化の一大発信地であることはもちろんですが、今後ぜひ世界を見据えたプランが練られることを期待しています。くまモンのように、熊本から世界へ!
40周年、おめでとうございます。祝!!!

Ⓒ Kazuyoshi Shimomura

ピアニスト/作曲家

小曽根 真

熊本県立劇場さま、そして大切な熊本の皆さまへ、

コロナ禍は勿論のこと、この数年は大きな災害に見舞われた熊本県。激変してしまった日常生活が多くの皆さまにとってどれだけストレスになっているのだろうかと考えると本当に心が痛みます。音楽家は「音楽」という「言葉」を通して皆さんの心に元気をお届けする事しかできませんが、震災直後に熊本県立劇場で演奏させて頂いた時、逆に客席の皆さんからステージ上の僕らの所に届いたエネルギーに感動したことを今でもはっきりと覚えています。
肉体が生きるために食べ物が必要なのと同様に、心が生き続けるために芸術があります。音楽は傷ついた心を癒してくれるだけでなく、自分で気がつかないところにある心の傷を見つけ、直してくれます。音楽が繋げてくれる心と心。そしてそんなミラクルを起こしてくれる場所が劇場です。会場に入るまでは会ったこともない人と隣り合わせで座り、たった2時間強、音楽を聞いて泣いたり笑ったり、体が揺れたり。
そんな奇跡の起こるこの熊本県立劇場も今年で40周年を迎えられると伺いました。この40年の間にここで泣いたり笑ったりされて大切な方々の魂の響とそのエネルギーがこのホールには宿っています。そして時が過ぎると共に、新しいミュージシャン達がこのステージに立ち、客席にいらっしゃる皆さんと再び幸せに満ちたミラクルな物語を創って行くのです。これからもこの素敵な空間を皆さんのために守り続けてくださいね。

I am so looking forward to coming back!!
小曽根 真

尺八演奏家

藤原 道山

熊本県立劇場 開館40周年おめでとうございます。
文化は人々の歴史、ご縁、出会いによって様々な進化・深化を遂げて参りました。熊本には素晴らしい文化・芸術が詰まっております。
先人たちの意識の高さ、そして、現在の皆さまがその意識という財産を伝えてこられたからこその文化度の高さが、熊本を支えていると感じております。
この素晴らしい熊本県の芸術文化祭に携わって数年が経ち、「邦楽」「民謡」という財産を次に繋げるお手伝いを微力ながらさせて頂きました。今年も熊本が誇る伝承芸能を皆さまにご紹介します!
これからも熊本県立劇場が芸術文化の発信の源として、次の世代にこの文化・芸術が更なる発展をもって続いていかれますことを願っております。

ⒸT.Aoki

劇作家/演出家

平田 オリザ

公演やワークショップ以外にも、劇作家大会やステージラボ(日本中の公共ホールのスタッフ向けの研修講座)など熊本県立劇場さんについては様々な記憶がよみがえってきます。
しかし、なんと言っても一番の思い出は『隣にいても一人』の滞在制作でした。オーディションから長期にわたる稽古まで、熊本に長く滞在することで多くの演劇人と知り合い、今もその交流は続いています。
四十周年ということは、私は、もうその半分以上の歴史に関わってきたということですね。これからもよろしくお願いします。

Ⓒ Sadato Ishizuka

舞踊家/振付家/演出家

森山 開次

熊本県立劇場開館40周年おめでとうございます。
私が初めて下見とワークショップで劇場を訪れた際は、まだなお震災の傷跡が残っていました。壁の亀裂、敷き詰められたシート。闇と埃を被った昇降バトン。煌びやかな劇場とはかけ離れた様相を案内してくださったスタッフの方の復興を誓う姿は忘れません。そして私の演出した、2018年『不思議の国のアリス』と2019年のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の全国ツアーの大千穐楽が、いずれもこの復興中の熊本県立劇場だったこともあり、とりわけ愛着を抱いています。苦楽の旅の末にたどり着いた熊本は、共に旅したスタッフ、共演者と涙を流し、再会を誓った場所でもありました。また熊本県立劇場で踊る日を心から楽しみにしています。

Concept Movie

熊本県立劇場40周年 コンセプトムービー

多くの人の夢や希望、そして文化・芸術に寄り添った熊本県立劇場の40年。舞台に立つすべての方々に大きなエールを、お越しいただいた観客の皆様に感謝を。そして、これまで劇場の歴史を陰で⽀えてきたスタッフに敬意を。今回の40周年に伴い、熊本県立劇場の「表」と「裏」、「これまで」と「これから」を表現した、コンセプトムービーを制作いたしました

40th Archive

40年のアーカイブ

Kumamoto prefectural theater

 

  • 1982

  • 1989

  • 1992

  • 1993

  • 2002

  • 2009

  • 2012

  • 2013

  • 2016

  • 2021

  • 2022

  • 1982

1982年の開館から40年の歩みを、県立劇場の自主文化事業をふりかえりながら紹介します。コンサート、演劇と2つの専用ホールを持つ県立劇場が、地域とともに歩んだ軌跡は、その時の社会や世界の状況とも重なり、文化・芸術がいかに人の日常に深く結びついているのかがわかります。過去を振り返ることは、未来へ突き進む大きな力にもなります。

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施設紹介

クラシック音楽を中心にした音楽専用ホール。約2秒の豊かな残響を持ち、ホールそのものが楽器と称されています。音響家が選ぶ優良ホール100選にも選ばれるホールは、人の声を柔らかく響かせ、シンフォニーの音をダイナミックに伝えます。

オペラ、バレエ、歌舞伎、演劇などの舞台芸術に特化したホール。最後部からでも演者の表情が見えるよう、舞台と客席の距離を計算して設計されたホールです。本花道を設けることができる数少ないホールとして、名舞台を生み出しています。